2011/01/22

豪雨災害を考える

ここ数日、豪雨災害を振り返るシンポジウムが
島でたくさん開催されています。
3人の方が亡くなっているし、
半壊したお家もあるし、
浸水したお家もあるし、
まだ片側通行の道路は沢山あります。
それはそれは、凄い災害だったと思います。
10/20の奄美市名瀬
撮影 GR君
10/20 PM 我が家の前の県道
撮影 Masumi
数日後の住用のとある事務所
撮影 GR君
そして、「あの時どうすべきだったのか?」を考えて、
同じ轍は二度と踏まないように
みんなで話しあうことは重要ですよね。
単に「島は助け合いの心があるから被害が少なくて済んだ」じゃぁ
ないんですよ。
私は、奄美の誇るコミュニティFM あまみエフエム主催の
シンポジウムへ。
会場に着いてびっくりしたのは、「関心のある人が
こんなにいるんだぁ!」でした。
別件があって最後まで居られなかったけど、
出席していた時に出た話をちょっとだけご紹介すると、
「避難者の名前は公表すべきだったのか?」
「リスナー情報を裏を取らずに電波に乗せていいのか?」
どちらも重いですよ。
今回の豪雨災害は、冠水などの”水”そのものの災害とともに
通信が使えなかったことに特徴があります。
私自身も電話回線がダウンしてから自主避難しました。
もともと自宅で「圏外」だったiPhoneは別として、
明け方に家のすぐ裏の山が崩落し、道路は封鎖されたまま、
朝からネットが止まり
===>もうメールやブログ等で状況を伝えられない、
固定電話が止まり、
避難先のMK姉のDOCOMOを借りて
姉に「MK姉の家に避難したから」まで話した途端、
DOCOMOもダウン。
集落から出れなくなった=所謂、孤立化を経験しました。
全国ニュースでは煽るような災害情報が延々と放送され、
「私は無事なんだけどぉ!!!」を伝える術がないことが
本当に腹立たしかったですよ。
「龍郷町はひどい被害を受けてる」しか放送しないから
東京の友人たちのみならず、同じ奄美に住んでいる友人たちからも
相当心配されました。
全国ニュースでは粒度が粗すぎて、不安だけを本当に煽ってました。
「龍郷町」じゃなくて、「XX集落」ぐらいの粒度が
地元民や地元に知り合いがいる人たちには必要なんですよ。
どこの道路が通行止めになっているのか、
いつから通れるのか、
どこまで行けば携帯が繋がるのか、
安否を知りたがっている人たちへ連絡するためには
これらの情報が不可欠だったのです。
でも、別に自分で伝えられなくても、誰かが伝えてくれれば
それでいいんですよ。
だから、あまみエフエムが実名で避難者を公表したことを
プライバシーの侵害なんて言う気には、
私は全くならないですね。
NHKとかが「龍郷町 ○○人避難」なんて放送してましたが、
本来必要としている情報は
「龍郷町で安否確認が取れていない集落/人」であり、
実名公表できないなら、分かる人には分かる表現が
あると思います。
「避難している人はXX集落在住の70代女性・・・、」くらい
公表して問題があるんでしょうか。
でも、これは放送局の問題じゃなくて、
お役所の問題でしょう。
避難者数を把握しているということは、
集落単位の安否確認も終わっているはず。
長いトンネルを歩いて安否確認しに行った
役場職員の方は結構いたと聞いています。
だったら、「XX集落は全員、無事」情報を
さっさと電波に載せるべきではないでしょうか?
本来心配すべきは確認できないところなんだから、
除外していいところをさっさと公表していけば
人々の不安もあそこまで煽るようなことは
なかったと思います。
「あの道路は通れるようになった」などの
「リスナー情報は不確かなものも多く、混乱を招く」といった
発言もありましたが、災害時に裏付けなんか
誰が取れるんでしょう?
土木、医療等の緊急車両が最優先であることは
みんな理解しているうえで、どうして通れる道路を
知りたがるのでしょう?
それは、通れなくなった道路の向こう側に誰かがいるから。
全国ネットのマスコミは視聴率が上がる悲惨な光景を
追い求めて被災現場をホッピングしてましたが、
「彼らが入れるならどうして地元民の僕らが?」と
思うのは当然ではないでしょうか。
私が一番感じたのは、コントロールタワーの不在でした。
あまみエフエムのみなさんには頭が下がるほどの敬意しか
持てないし、同じことが起こったらまた同じように取り組んで
いってもらえればと思うだけです。
島の半分以上が被災するような豪雨はもう来ないなんて
ことはないでしょうし、異常気象を考えたら再発の確率の方が
はるかに高いでしょう。
うーん、今度は、個人として備えるべきことをまとめねば。

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